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2008年6月20日 (金)

[nekodemo]アートの新しい資金調達・ミュージカル債の行方を見守る

事業をやるにも不動産を買うにも、資金調達の方法が多様になってきた昨今。今度は日本にもミュージカルファンドが登場したそうだ。少々記事を書く時期が遅れたが。
なるべく日刊StagePower: ミュージカル債で10億円募集中!より。

東京都中央区のディー・ブレイン証券は、現在大阪(BRAVA!)で試験公演中(28日まで)の作品「TRIP OF LOVE」を応援する私募ファンドの募集を13日に開始した。アメリカのブロードウェイでの公演を目指す。募集上限は800万ドル。一口2万5千ドル(280万円)だ。投資家は出資に応じて分配金を利益の中から受け取る形。

私募ファンドなので詳しいことは分からないが、米国でもお金を集め、ま、せっかくだし(日本発の事業だし)日本でも集めておこうかというノリなのだろうか? 一口2万5千ドルで購入可能とのことで、そのお手軽さは小市民には嬉しいものの、この規模感でどれだけ集まるのだろうか? ディー・ブレイン証券の商品ラインナップから推測するに、ここの顧客群は相応のリスク取りたがりの人たちかもしれないので、新しいこういうファンドにも投資してくれやすいのかな。というかもう募集は終わっちゃっているのかな? いつまで集めているのだろう。

世界的な信用収縮のご時世で大変なチャレンジには違いないが、新しい資金調達のモデルとして注目である。

こういったファンドでの資金調達成功例というと、芸術界ではシネカノンの映画ファンドが記憶に新しい。『フラガール』を支えた映画ファンドのスゴい仕組みによれば、日興コーディアル証券が募集をしたファンドで、著作権信託を使って一口2,000万円で46億4,000万円集めている。そのファンドは、シネカノンが製作する複数の映画に分散投資されており、そのポートフォリオには「フラガール」「魂萌え!」「バッチギ!」などそこそこ有名な作品が入っていたとのこと。その中から、フラガールの大ヒットがあったわけだ。

今回のミュージカルファンドの場合は、分散投資ではなくて一作品のみへの投資なので、ハイリスクではあるが、芸術なんていう成功未保証のジャンルにチャレンジする当事者の意気込みと比較したら可愛いものか。
*arts marketing.jp - 日本からブロードウェイへ、そして日本へ。出口最一という人によれば、このプロデューサー出口氏はこの公演に8年もかけてやってきてるんだそうだ。

あたるかどうかもわからないことに対して、0からスタートして8年間。
ドッグイヤーな業界にいたからかもだけど、8年間って私からしたら、気が遠くなるような年月だ。
「正気だったらこんなことできない。絶対あたるって信じ続けないと」と言っていたが、10年近く信じ続けるのは、ほんと並大抵じゃないよね。

まぁ投資家としては、他にも利回り稼げる商品の選択肢はあるわけで、金融商品としての側面だけで見られるとこのファンドも辛いのかもしれない(どれだけの期待利回りなのだろう)が、ここはやはり、「夢を追いかける」舞台芸術ファンの投資家にがつんと買ってもらいたいものだ。……そんな投資家は日本にどれだけいるのだろうかとも思うけど、私設美術館を作るような篤志家は日本にも少なからず存在するわけで、見せ方次第で日本でもこういうのが出来るのかもしれないな。

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