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2008年2月10日 (日)

[nekodemo]仙台のせんだい演劇工房10BOXを見学してきた

劇都仙台2007第10回演劇プロデュース公演「ミチユキ→キサラギ」を見に行ってきた。
エル・パーク仙台ギャラリーホールにて。

仙台のお芝居といえば、かつてシアタームーブメント仙台「犬の仇討ち」を世田谷パブリックシアターで、IQ150とポイントをこまばアゴラ劇場で見たことがあった。しかし、仙台現地で見るという行為をしたことがなかったので、良い機会なので見に行くことにしたのである。

芝居の感想はCoRichに書いた

そしてその仙台観劇旅行に合わせて、「仙台で演劇」といったらきってもきれない、かの有名なせんだい演劇工房10BOXへも足を運んで来たのであった。

テンボックス
テンボックス posted by (C)nekodemo

10BOXの施設内をいろいろとご案内いただきました。ありがとうございます。

テンボックス
テンボックス posted by (C)nekodemo

10BOXは、稽古場と、タタキ場、制作室、資料室などが揃った、演劇をゼロから作れる施設である。たまにここで公演をやる団体もあるとのこと。公演によく使われるという部屋は電源も取れてグリッドもあるブラックボックス。今年からは、月間に公演可能な回数の制限も無くなったという話。いい空間。

施設を見学させていただいた後、テンボックスの最近の利用状況だとか、昨今の仙台演劇事情について、テンボックスの方や在仙の友人と話してきた。
いろいろと思うことはあったのだが、テンボックスは安く借りられて機材も充実しているし、蔑ろにされがちな制作さんを優しく迎え入れてくれる環境まであり、なんて理想的な演劇空間なんだろうかと感じたのが一番だ。

テンボックス
テンボックス posted by (C)nekodemo

見学させていただいた際、照明機材は少々出払っているものもあったようだが、数は多く揃っていて、基本的な灯体としては十分。しかも、スタッフの方手作りの照明機材の特徴などを記したシートがあったりして、照明スタッフの視点としてもとても使いやすそう。

それから、これはイイ!と思ったのが、制作室という場所。機能としては、各劇団の折り込みチラシの集約や、制作さんによるリソグラフや裁断機の利用といったところのようだが、そもそも制作用に場所が一部屋あるということが感慨深い。
制作の仕事っていまいち地味でよく見えないけど、仙台の演劇人が制作を大切に考えているということをこの部屋は体現している。

あとは資料室が楽しい。ものすごく昔のテアトロから悲劇喜劇、各種脚本集や高校演劇戯曲選まで、多くの資料が揃っている。THE STAFFは10冊も置いてあった。公演のビデオもあった。すわ、ただで読める矢口書店か!
図書館ではないので「貸し出し」はしていないそうだが、外部持ち出しをするときには10BOXの事務所で手続きすればうんぬんかんぬんという話である。

この施設を作るとき、ご担当の方が全国の演劇施設の先進事例をかなり見て回ったそうだ。そのいいとこ取りの集大成が10BOXであるらしい。金沢市民芸術村とか、名古屋は七ツ寺とかうりんこ劇場、文化小劇場、長久手だとかを回った記録が置いてあった。

もちろん今となっては、10BOXなりの課題というのはあるようだが、そう言いつつも、演劇人から見たらここはとても良い施設である。仙台は劇団の数が減ってるんだという話を小耳に挟みながらも、この恵まれた環境は大事にすべきだと思うし、これを活かして地元仙台で良い芝居ができあがっていったらいいなと思う。

ところで、とある自治体が「新しく公共ホールを作ろう」という取り組みを最近スタートさせた。まだ基本方針も具体的な条例も何も出来ていない段階だが、その建築計画に対して、意見をもの申す会合に私は定期的に参加している。
身も蓋もないことを言う市民を相手にする公務員は大変だよなぁとしみじみ傍目で見ながら、たまに私も意見を言ってみたりしているのだが、10BOXを見学して、つくづくこういう施設は運営に対するアツイ想いを持つ人材が大事だなぁと感じている。
新しく作られるという某自治体のホールには、「こういう機能が欲しい」とか「こんな作りにしてくれ」というような要望が市民から出てくるが、それは果たしてハード面だけで考えて良い問題なのか? それよりむしろ、どんな施設でも、それを回していくソフト面(人材)が大事な要素なのではないか?

属人的になることは本当は良くないのだけど、やる気ある人材が、粘り強く周囲を巻き込み文化をその場に根付かせていく。いい施設を守り発展させていくのは、何よりそこを愛し使う「人」なのである。
10BOXがオープン以来現在の形を為したのは、何より仙台の演劇人の力である。そしてまた、これからのステップを作り上げるのも仙台の演劇人にかかっているのである。

仙台で演劇を作っている皆さんには、ぜひこれからもがんばってほしい。
また仙台に演劇を見に行きたいと思っている。

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